Eurovision 2018 ウクライナ代表 Melovin の Under The Ladder 和訳・歌詞解釈と考察

梯子の下で踊る 何を待つ必要がある 
何が起きようと、決めるのは自分 

レベルの高い実力者ばかりが集まったウクライナの国内予選大会を制したのは
Ukraine’s Got Talent 出場者にして、6期The X Factor in Ukraineの優勝者
闇の貴公子 Melovin でした
国内予選大会での彼のパフォーマンスは
なぜか高台に設置されたピアノを弾いたり、なぜか高台が燃やされながら歌ったり
ヴィジュアル系ロックシンガーのように中二病心をくすぐる出来栄えでした
そして、彼が歌う曲は『Under The Ladder』
「梯子の下を通る」と言えば、不吉の象徴でもある西洋の迷信ですが
楽曲の勇ましさ、歌唱のパワフルさから
単に悲しみにくれたり、不幸に嘆くような曲ではないことが分かるでしょう

それでは、今回はこの曲の内容を見ていきましょう

もくじ
歌詞和訳『Under The Ladder』
歌詞解釈と解説
 - Verse1
 - Pre-Chorus1
 - Chorus
 - Verse2
 - Pre-Chorus2
walking under a ladder について
Won't と Can't の違いについて

国内予選大会

  
歌詞和訳『Under The Ladder』
Verse 1
Curtains down, I’m laughing at the trial
幕が下りる、ボクは試練の途中で笑う
Help me to unravel
ほどくのを手伝ってくれ
Tangle of my innocence inside
ボクの中でもつれる純真を
Faith’s bout to be severed
信念が断ち切られようとしている

Pre-Chorus 1
Oh oh oh oh, won’t get any better
ああ、これより良くはならないのか
Oh oh oh oh, walk under the ladder
ああ、梯子の下を歩く
Shout out just one reason what’s this for
何の為なのか、一つでもいいから理由をと叫ぶ

Chorus
You can see that whatever the weather
空模様がどうだろうと分かるだろう
That the wind’s always there, always fair, oh oh oh
風はいつでもそこにある、いつでも公平だ
And it has always been now or never
そしていつでも今がやるべき時なんだ
The decision has got to be made, oh oh oh
今こそ決める時なんだ
(Oh oh oh, yeah)
(Oh oh oh, yeah)

Verse 2
Desperate thoughts, your hope calls you a liar
自暴自棄な思考、キミの希望はキミを嘘つきだと呼ぶ
Fear begins to revel
恐怖心が楽しくなり始める
Nothing but your will sets you on fire
キミの願いだけが、キミのやる気に火をつける
Fire lasts forever
その炎が永遠に燃え盛るんだ

Pre-Chorus 2
Oh oh oh oh, can’t get any better
ああ、今よりも良くできない
Oh oh oh oh, dance under the ladder
ああ、梯子の下で踊る
If you dare, so what you’re waiting for
本当に望むのなら、何を待つ必要がある

Chorus
You can see that whatever the weather
空模様がどうだろうと分かるだろう
That the wind’s always there, always fair, oh oh oh
風はいつでもそこにある、いつでも公平だ
And it has always been now or never
そしていつでも今がやるべき時なんだ
The decision has got to be made, oh oh oh
今こそ決める時なんだ
(Oh oh oh, yeah)
(Oh oh oh, yeah)

Bridge
You can see that whatever the weather
空模様がどうだろうと分かるだろう
That the wind’s always there, always fair, oh oh oh
風はいつでもそこにある、いつでも公平だ
And it has always been now or never
そしていつでも今がやるべき時なんだ
The decision has got to be made
今こそ決める時なんだ

Chorus
You can see that whatever the weather
空模様がどうだろうと分かるだろう
That the wind’s always there, always fair, oh oh oh
風はいつでもそこにある、いつでも公平だ
And it has always been now or never
そしていつでも今がやるべき時なんだ
The decision has got to be made, oh oh oh
今こそ決める時なんだ
(Oh oh oh, yeah)
(Oh oh oh, yeah)

歌詞参照元
https://eurovision.tv/participant/melovin
https://genius.com/Melovin-under-the-ladder-lyrics

  
歌詞解釈と解説
英語圏では梯子の下を通ると不幸になるという迷信があります
『Under The Ladder』というタイトルからその不吉さが出ているように
この曲は成功した人生ではなく、失敗した状況から始まる曲となっています
ただし、楽曲の勇ましさからも分かるように
『失敗からいかにして立ち上がり、成功へとたどり着くか』
その大切さを歌っている楽曲です

何らかの挫折を経験し、何かを呪ったとしても
地球は構わず回り続け、風はあるがままに流れ続ける
だからこそ、もう一度立ち上がるか、それを決めるのは自分自身だ、という内容で
ありていに言えば、この曲は『応援ソング』であると言ってもいいでしょう
奮い立たせるような歌詞と音楽とも言えます

それでは、楽曲の流れに沿って歌詞の内容を読んでいきましょう
  
Verse1
前述したとおり、この曲は『失敗した状況から立ち上がる曲』であり
Verse1に書かれてあることは、まさしく『挫折した場面』を表現しています
Curtains down カーテンが下りる、幕が下りる
『Under The Ladder』という演目は、まだ始まったばかりではありますが
物語の主人公にとっては終了したも同然です

彼が何に対して挫折して幕が下りてしまったのかと言うと
I’m laughing at the trial 何らかの試練に立ち向かっていたことが分かります
『Trial 』という言葉は、主に「裁判」や「公判」という意味で使われているようですが
ここではフリートライアル、無料体験の「体験」ぐらいに取ると良いでしょう
応援ソングとして、聞き手が銘々の人生と照らし合わせられるように
具体的に書いていないはずなので

Help me to unravel, tangle of my innocence inside
この歌詞は一つながりの内容として見るのが良いでしょう
「Help me to unravel (助けてくれ、ほどくのを)」で、何をほどくのかというと
「tangle of my innocence inside (もつれた純真)」です
例えばスポーツ選手や、それこそ歌手になるために練習を繰り返している間は
ひたむきに成功した姿、プロになった自分を夢見て頑張るものだと思いますが
挫折して、夢を追う気持ちが打ちのめされると
それでも夢を追いたい気持ちと、もう無理だという気持ちがない交ぜになり
酷く葛藤して前に進めなくなるものだと思います
その状態が、「tangle of my innocence inside (もつれた純真)」です

そして、スパゲッティよりもこんがらがった心を一本の線に戻すには
一番手っ取り早い方法ははさみでバッサリ切ってしまうことです
「Faith’s bout to be severed (信念が断ち切られようとしている)」
夢を追い続けるかどうかという、その信念を断ち切るかどうか
その瀬戸際に立たされた主人公は
誰かに絡まった糸をほどく手伝いをしてもらえないと
最後はバッサリ切ってしまう=夢を諦めてしまうかもしれない
と、訴えます

I’m laughing
冒頭に戻りますが、ここでなぜ主人公は笑っているのか
もう笑うしかないぐらいに追い詰められている、いわゆるお手上げ状態
のように思いますが……?
  
Pre-Chorus 1
梯子のくだりを無視して考えれば
Verse1 から繋がる文章ですので、意味はそのまま分かるかと思いますが
「Shout out just one reason what’s this for (何の為か、一つでいいから理由をと叫ぶ)」
この歌詞については、いくつか解釈が分かれるところだと思います
何の為にこんなことをしなければならないのか
何の為に失敗しなければならないのか
いわゆる「おお、神よ、なぜこのようなことを」状況なのか
それとも失敗してしまった自分自身に対しての怒りなのか
いずれにしても、失敗した状況に対して主人公が乗ろって言う事には変わりないです

梯子については後で説明します
  
Chorus
Verse1 で挫折を経験し
Pre-Chorus1 で今の状況を呪った主人公は
しかし、荒れた天気だろうと、ぴいかんの空だろうと
どんな状況だろうと関係なく、風はそこに在り続け
いつでも公平に流れ続けていることに気が付きます

つまり、主人公にとって世界の終りのような状況だろうと
例え主人公が死んだとしても世界はその後も回り続ける
何があろうとも世界はそこに存在し続ける

だからこそ、挫折するような状況に直面したとしても
変わらず立ち上がって先に進むべき時なんだ
と、主人公は気が付きます

ちなみに、「now or never」とは「今が好機」という意味ですが
続く歌詞に合わせて「今がやるべき時」という訳仕方をしています
  
Verse2
Verse1 で自暴自棄になった主人公でしたが、決して諦めていないことが分かります
「your hope calls you a liar (キミの希望はキミを嘘つきだと呼ぶ)」
主人公は挫折を経験しつつも夢を追い続けたい気持ちと板挟みになっていましたが
「夢を追いたい気持ち」が残っているからこそ
彼の中の希望の心は、諦めようとしているそぶり
信念の糸を断ち切ろうとする彼を、嘘つき呼ばわりします

「Fear begins to revel (恐怖心が楽しくなり始める)」
そもそも、主人公は挫折するような状況になった時点で
実は、そのような状況を楽しんでしたのです
逆境から立ち直る過程こそ楽しく
苦しい状況から勝利するからこそカタルシスを得られるのです

歌詞の冒頭に戻りましょう
I’m laughing at the trial
実は、彼は最初からこの状況を楽しんでいたのです
And it has always been now or never
悪い状況である今だからこそ好機である、と
  
Pre-Chorus 2
そして、彼は歌います
「can’t get any better (今の状況よりもよくならないだろうか)」
「so what you’re waiting for (いや、何を待つ必要があるのか)」
サビへと続くこの歌詞は、手をこまねいている状況から立ち上がり
向かい風の中を突き進む決心を表しています
  
walking under a ladder について
日本の迷信に相当するものとして
英語には『Superstition』というものがあります
「walking under a ladder」は迷信の一つで
西洋では梯子の下を歩くと不幸に見舞われると言われています
諸説あるようですが、形が絞首台に似ているから、だとか
壁と梯子の間にできる三角形の空間が、キリスト教の三位一体を表しており
それを壊してしまうから、あるいは神聖な場所を土足で歩くから、などの理由で
梯子の下を歩くことは不吉の象徴であると言われています

民俗学的には、どこの国の迷信でも
その行動そのものをさせたくないために広まっている場合が多く
この場合は、単純に梯子の下を通ると、物が落ちてくる可能性があって危なかったり
梯子に足を引っかけて、昇っている人が落ちてしまわないようにであったり
そういう理由が考えられますが

さて、そこに来て、この曲には、わざわざ梯子の下を歩く描写があります
意味もなく梯子の下を主人公に通らせるわけもないので
西洋の迷信を意図的に歌詞の中に入れていることは明白で
しかし、それではどうして、この不吉な迷信を歌詞の中に入れたのか
という疑問が残ります

また、梯子の下を歩く描写があるのは、Pre-Chorusの1と2ですが
歌詞の内容は微妙に異なっています
Pre-Chorus 1「walk under the ladder (梯子の下を歩く)」
Pre-Chorus 2「dance under the ladder (梯子の下で踊る)」

Pre-Chorus 1で歌われたのがどういう状況かと言うと
挫折し絶望を味わっているであろうタイミングです
Verse1 でどうにもならなくなり、夢を諦めるかどうかの瀬戸際に立たされ
状況を改善しようにも、どうにもならない状況を呪う場面で歌っています
このことから、ここでの「梯子の下を歩く」とは
「悪いことばかりが起きている」という、迷信通りの意味でとらえてよいと思います

では、Pre-Chorus 2で歌われたのがどういう状況かと言うと
今こそやるべき時だ、とサビで立ち上がり
Verse2 で不利な状況を楽しむ歌詞を歌った後に登場します
Fear begins to revel 恐怖心さえも彼を楽しませる興奮剤となっている場面で
ともすれば、「梯子の下で踊る」とは
「迷信など信じない、この悪い状況さえも楽しんでやる」という
とても強い意志を表している事が分かります
  
Won't と Can't の違い
文法のお勉強です

Pre-Chorus 1 「won’t get any better」
Pre-Chorus 2 「can’t get any better」
Won't と Cant't の違いは
Won't 本当ならできるはずの能力を持ち合わせているが、しないことにした
can’t 今現在その能力がないため、できない
というニュアンスの違いがあると思います

ただし、歌詞の中では
"It" won’t get any better
"I" can’t get any better
という違いもある為

Oh oh oh oh, won’t get any better
この状況は本当なら改善されるはずなのに、なぜこれ以上良くならない
Oh oh oh oh, can’t get any better
僕には能力がないからできない(と思い込んでいるから)、今よりも良くできない
というニュアンスの違いがあるのだと思います


ライブ考察
Q.突然上着を脱ぐのはなぜなのか?
A.カッコいいから
Q.階段の上にピアノがあるのはなぜなのか
A.カッコいいから
Q.足元燃やしてるのはなぜなのか
A.カッコいいから!

冗談はともかく
少なくとも台を燃やしたのは
Nothing but your will sets you on fire, Fire lasts forever
キミの願いだけが、キミのやる気に火をつける、その炎が永遠に燃え盛るんだ
の部分にかかっているんだろうなと思います
簡単に言ったらケツに火がついたって言うことかと

全然どうでもいいけど
ちょいちょい私の中二心をくすぐる振付や演出があって辛い


国内予選大会レビュー記事
準決勝1
http://sheilabirlings.blog33.fc2.com/blog-entry-5620.html
準決勝2
http://sheilabirlings.blog33.fc2.com/blog-entry-5636.html
決勝戦
http://sheilabirlings.blog33.fc2.com/blog-entry-5652.html

ウクライナの音楽を好き勝手に語る(外部
関連記事一覧 - ESC2018のウクライナ国内予選を追いかける
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Eurovision 2018 もくじ記事
http://sheilabirlings.blog33.fc2.com/blog-entry-5521.html

参考文献
英語圏の迷信(2) はしごの下を歩くと・・・
http://studyenglish.at.webry.info/201511/article_26.html
西洋の色々な迷信(superstition)とその英語
https://learning-eigo.com/talk/superstition/
知っておきたい、英語圏の迷信 TOP10
http://knowledge-plus.com/english/289/
differentiate between "I can't" and "I won't." (全文英語
https://www.inc.com/geoffrey-james/attitude-cant-or-wont.html





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