Eurovision 2018 スロベニア代表 Lea Sirk の Hvala, ne! 和訳・歌詞解釈と考察

スロベニア国内予選大会を勝ち抜いたのは
スタイリッシュな楽曲とダンスが魅力な歌手でした

スロベニアの Eurovision 国内予選大会 EMA 2018 で優勝したのは
視聴者人気でこそ3位の結果ではありましたが、審査員との総合得点で優勝したのは
極めて完成度の高いステージングが魅力なLea Sirk でした
彼女が歌う曲『Hvala, ne』
およそEurovision らしさのない と思えないような楽曲ではありますが
非常にセンスの良いステージング、ダンスパフォーマンスと歌唱によって
他のどの曲とも被っていない、独自の方向に突き進んでいる潔さを感じさせる
とてもユニークな楽曲でもあります
そして、そうであるがゆえに、Eurovision らしいユニークさを持っている
とも言えるのではないでしょうか

さて、この曲のタイトル『Hvala, ne』を直訳すると『ありがとう、ごめんね』となります
彼女が一体何に対して拒絶をしているのか、それを今回は見ていきましょう

もくじ
歌詞和訳『Hvala, ne!』
歌詞解釈と解説
 - Verse1
 - Pre-Chorus
 - Chorus
 - Verse2
 - Bridge


国内予選大会 決勝


  
歌詞和訳『Hvala, ne!』
Verse1
Moje ime je Lea in za vas imam nov lik
私はレア、新しい私を見せてあげる
Lik nasmeha in svobode kot najbolk virtualen trik
私の笑顔は自由 まるで他のヴァーチャルトリックの様に
En korak do zmage
勝利への一歩
En korak do luči
光への一歩
Do popolnosti
完璧への

Borim se z nasmehom do sonca, borim se za ljudi
私は太陽へ向かうため笑顔で戦う、私は人のために戦う
Pot do resnice, me zaslepi
真実への道に、目が眩む
Ljubezen tista prva pride, da preslepi
初めての愛が、私を謀る
Jaz pa si vzamem, kar telo osvobodi
だけど私は取る、私を自由にするものを

Pre-Chorus
Ne verjemi vse, kar ponujeno ti je
ヤツらの言うことなんて何も信じるな
Misli na glas in upaj
自分の声を信じて希望を持て

Da skrivnost je tem, ne prodajaj se vsem
あらゆる秘密はそこにある、自分の魂を他人に売るな
To je najbolj passe
もう時代遅れさ
Hvala, ne, ne!
いいや、ゴメンだね!

Chorus
Hvala, ne!
イヤだね
Hvala, ne, ne!
いいや、ゴメンだね!
Hvala, hvala, ne!
イヤだ、イヤだ!

Verse2
Milijon ljudi je že reklo, da nas preveč zivi
100万の声が口を揃える、人が多すぎると
Tistih, ki so nesrečni in brez luči
不幸で光のない場所に
En nasmeh za srečo
一つの笑顔は幸福の為に
En nasmeh za ljudi
一つの笑顔は人の為に
Za tiste polne skrbi
不安な者たちの為に

Svoje duše ne dam nikomur držim jo za se
私は魂を手放さない、私の胸にしまっておく
Prava umetnost, brez cene
本当の芸術には値はつけられない
Vsak odgovor je v meni, najdem ga kadar spim
あらゆる簡単な答えは私の中に、私は眠りの中で見つける
Ko telo je sproščeno, predano za vse
体がリラックスしていると、あらゆることを感じられた

Pre-Chorus
Ne verjemi vse, kar ponujeno ti je
ヤツらの言うことを何も信じるな
Misli na glas in upaj
自分の声を信じて希望を持て

Da skrivnost je tem, ne prodajaj se vsem
あらゆる秘密はそこにある、自分の魂を他人に売るな
To je najbolj passe
もう時代遅れさ
Oh!

Ne verjemi vse, kar ponujeno ti je
ヤツらの言うことなんて何も信じるな
Misli na glas in upaj
自分の声を信じて希望を持て
Da skrivnost je tem, ne prodajaj se vsem
あらゆる秘密はそこにある、自分の魂を他人に売るな
To je najbolj passe
もう時代遅れさ
Hvala, ne, ne!
いいや、ゴメンだね!

Chorus
Hvala, ne!
イヤだね
Hvala, ne, ne!
いいや、ゴメンだね!
Hvala, hvala, ne!
イヤだ、イヤだ!

Bridge
Kot lutka za ljudi
まるで誰かの人形の様
Ki se skrivajo za maskami
仮面の奥に隠れるように
Enaki, popolni, a nezadovoljni
同じ、完璧、だけど満足できない
Hvala, ne, ne, ne!
イヤ! イヤ! ゴメンだね!

Ne verjemi vse, kar ponujeno ti je
ヤツらの言うことを何も信じるな
Misli na glas in upaj
自分の声を信じて希望を持て
Da skrivnost je tem, ne prodajaj se vsem
あらゆる秘密はそこにある、自分の魂を他人に売るな

Chorus
To je najbolj passe
もう時代遅れさ
Hvala, ne, ne!
いいや、ゴメンだね!
Hvala, ne!
イヤだね!
Hvala, ne, ne!
いいや、ゴメンだね!

Outro
Hvala, hvala, ne!
Ne, ne,ne, ne!

スロベニア語歌詞参照元
https://eurovision.tv/participant/lea-sirk
https://lyricstranslate.com/en/hvala-ne-no-thanks.html

  
歌詞解釈と解説
スロベニア語を英直訳して和訳した文章と
公式サイトにある英訳、有志がアップした英訳の3つ(実際は5つ)を照らし合わせ
そうして和訳したものになっています
なので、文章的におかしなところも多々あると思いますが
それとは関係なしに、この曲の歌詞は、分かるようで分かりにくい作りになっています
落ち着いて全体を丁寧に読み込めば、それほど難しい曲ではないのですが

サビの歌詞で「No thanks (いいえ結構よ)」を連呼する部分が目立ちますが
これは、何も考えずに「NO」を突き付けているのではありません
嫌なことに対して「NO」と言えることの勇気と、それが言える社会を目指し
自分たちを抑圧してくる社会からの解放がテーマになっている曲です

そして、それは歌詞の中に「virtualen trik (virtual trick)」ともあるように
ヴァーチャルトリック、つまりネット世界を使うことによって手に入れた
自由になる権利、NOを言える権利と自分らしく生きる権利を歌った曲となっています

それでは、準通りに歌詞の内容を見ていきましょう
  
Verse1
サビ前までの歌詞の内容は、レアの自己紹介と
新しい自分の「Lik (キャラクター)」を見せる場面から始まります
この「Lik」という言葉については、公式ではCharacter と訳されていますが
人によって「shape (形)」とも「look (見た目)」とも訳されているので
電子世界におけるレアのアバターのようなものを指しているのだと思われます
なぜ電子世界のアバターなのかと言うと
続く歌詞で、「virtualen trik (ヴァーチャルトリック)」の中にある、と歌っているので
ネット世界、電子世界での事をこれから喋るのだ、というのがここで分かるわけです

そして、ネット世界で新しい外見を手に入れたレアは
他の「virtualen trik」たちが当然のように持っている権利である
『svobode (自由)』を手に入れたと歌います
それは、彼女が望んでいたものであり
自由を手に入れた彼女は勝利へ、光へ、完璧へと一歩近づきます

Verse1の後半で、レアは自由を手に入れたがために、なんでもできる気になります
Pot do resnice, me zaslepi (真実への道に、目が眩む)
しかし、現実はそう甘くはありません
Ljubezen tista prva pride, da preslepi
レアの手に入れた自由、自分を表現しようとする行為をあざ笑うものが現れます
それでも、レアは自由を手にすること選びます
  
Pre-Chorus
Verse1 の解説の内容を読んだ後であれば
サビ前歌唱については直訳でも意味が通じてくるかと思います
また、それもあって、Verse1のように意訳しなおす必要もないとは思います
書いてある内容としては、訳したのとほぼ同じ
自分を騙そうとするものの声を聞く必要はない
自分の考えを信じて、それに希望を持て
自分の秘密は自分のものだけにしろ
自分の信念も捨てることなく、魂も他人に売るな
そして、もしそうしたことをするのなら
それはもはやpassé である、とレアは言います

passé とは、スロベニア語でも英語でもなく、意外にもフランス語の様です
意味は英語で言う『Past』つまり過去です
「To je najbolj passe」は直訳で「それは passé です」
意訳すると「それは過去のものです」となりますので

他人の声を信じるな、自分を信じろ
大事なことは自分を持つこと、他人に自分の魂を売るな
と、Pre-Chorus でレアが訴えているという事は
逆に言えば、それまでは自分を抑え込んで我慢するのが当たり前だったという事
日本で言うところの団塊の世代とゆとり世代のような差が
調べていませんが、もしかしたらスロベニアにもあるのかもしれないという事です
少なくとも、イギリスには似たようなものがありますので
どこの国も、SNSやネットの発達によって自分を表現する場が増えたのもあって
自分を抑え込まないで、自分の素直に生きること人が増えたのかもしれません
  
Chorus
Hvala, ne, ne! (ありがとう、イヤ、いらないよ!)
という拒絶の言葉は、ここまで来ると誰に向けたものかが分かりますね
レアたちの世代は、自分たちを自由に表現する世代ですが
そうしたレアたちを抑え込もうとする人たちや世代、社会的風潮に対して
レアは「NO」と突き付けている、という事です
  
Verse2
前半の歌詞は、ワールドピースなもののように見えますが、そうではなく
ネット上の声が、いまだ救われていない(抑圧からの開放)人たちが多い
と言っている歌詞として解釈することができます

余談ですが、公式サイトの英訳では
なぜかスロベニア語「Milijon」が「zilion」と訳されています
有志の英訳ではちゃんとMillion となっていますし
スロベニア語でも zillion は zillion のようです
英⇒スロベニア語辞書
いずれにしても、途方もない数字という表現になりますが
Eurovision公式サイトの歌詞はこういうことが途方もなく多いです
(ものによっては歌詞書いた本人の訳を置いていますが)

Verse2 後半の歌詞では
自分のやりたいことをさせてもらえない世界で
他人の価値観にとらわれず、自分の信じるように歌っているのだと思われます

Bridge
ここの歌詞は、社会や誰かに本当の自分を押さえられている様が描かれています
誰かの人形になることも、仮面の奥に隠れてしまうことも
本当の自分を隠すことをそのまま表現しているように思うので
そして、一見すると社会的には完璧な人間であるかのように見えますが
本人にとっては個性を殺されたロボットのように感じ
そんな状態では満足が出来ない
満足が出来ないからHvala, ne, ne, ne! と声を上げる、という歌詞になっています


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Eurovision 2018 もくじ記事
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