Eurovision にプロの歌手は不要!? アマチュア歌手にこそ出場して欲しいという声 ~雑談考察記事~

60年以上続く、ヨーロッパ最大の音楽祭・歌唱際である
Eurovision Song Contest

各国から、その国の代表として一人の歌手(ないしグループ)を選抜し
参加国で一番の歌手を決める、世界最大規模の歌唱大会である

国内予選大会を勝ち抜いて出場した歌手
あるいは内部選考によって抜擢された歌手
各国の代表となる歌手の年齢、ジャンル、レベルはバラバラで
多種多様な歌手がこの大会に出場することになるのだが
さて、この大会における『歌手』とはどうあるべきなのか?
その疑問に、多くのEurovisionファンが銘々の考えを持っている

Eurovision にはプロ歌手は出るべきではない!?
Eurovision は、各国の代表が歌唱力などを競い合う大会としているが、同時に
アマチュア歌手がプロになる為の登竜門的な大会である、としている人は少なくない
ゆえに、「プロの歌手はこの大会に出るべきではない」
と言う考えを持つ人が、欧州各国に一定数いる

プロの歌手は既にプロとして成功を収めているのだから
ことさら出場して名を売る必要はない、と言う意見や
中々日の目を見ることの出来ないアマチュア歌手にこそ
こういった大きなステージに立てる機会を譲ってあげるべき、など
内容に多少の差異はあるものの
概ね、Eurovision=アマチュア歌手(ないしインディー歌手)の活躍の場
と言う認識を持っている人は多々見受けられる
(年々増えてきているようにも思う)

中には、Eurovision の公式的なルールとして
プロ歌手の出場は禁じられている、と解釈している人もいるほどだが
ほとんど毎年のように議論されているこの問題について、今回は掘り下げていこうと思う

先に書いておくが、私は別にプロが出ようがアマチュアが出ようが
その国の文化を音楽を通して見せてくれる歌手が一番見たい派なので
どちらかの意見に肩入れするつもりはない、とだけ言っておく

あと、この記事は別に結論を出していないし
ただウダウダと書き綴っているだけなので
長いだけのチラ裏記事である、という事も先に言っておく

Eurovisionのルール
一部のESCファンには、一定の成功を収めたプロ歌手は出場してはならないと考えていたり
そういったルールが存在していることを理由に声を大きくしている人も存在するが
(全体がそうではないにせよ、一部ではそういう意見もある)
本当のところ、実際に公式ルールではどのようになっているのだろうか?
そう思って、Eurovisionの公式サイトに掲載されているルール一覧を確認した

こちらは2018年7月現在、ESC公式サイトにあるルールページであるが
https://eurovision.tv/about/rules

そもそも、Eurovisionにおける公式ルールでは
『プロ歌手出場禁止』や『アマチュアでなければならない』
などといったルールは一切記載されていない

もちろん、登竜門うんぬんは暗黙の了解的にとらえている人もいるだろうが
改めて、ルール上は決してそういう大会ではないという事を書いておく

もっとも、かつては自国公用語以外禁止ルールもあったそうなので
2018年7月現在、2018年版のルールには記載されていなかった
と言う書き方が正しくはあるが

ルールのみを見れば、Eurovisionに出場できる歌手・グループは
・代表者はその国ごとで、自分たちで決めること
・ステージに立てるのは歌手・ダンサー含めて6人までであること
・動物はステージに上げないこと(着ぐるみや舞台装置はOK。生ものはNG)
この3点を守れば、ほとんどどんな歌手でも出場できると言うことになる

実際のところ、ほぼ毎年プロ歌手はどこかの国から出場しているわけだし
この「プロ歌手」の定義が中々に難しいところではあるが
特定の国ではとても有名な歌手でも、世界的に見れば一般知名度の低くい場合もあるし
元から一定の成功を既に収めている有名な歌手だって出場している
有名どころで言えば英国のボニー・テイラーはEurovisionに出場する前から
英米のみならず欧州、果てには日本でも有名なほどの、まさに世界的な歌手であるし

この動画を見たら、大体の人は「ああ、この人か」ってなると思う

ボーイバンドのブルーだって出場している
英国以外でもロシアも国内で有名なプロの歌手を出場させていたわけだし
もっとも、個人的にボニー・テイラー出場に関しては
もはや優勝狙いと言うよりもゲスト様ポジションである気さえするが(BIG5だし)
世界的に有名であるがゆえに「大好きなあの歌手が来てくれた!」状態と言うか
(一出場者である為、ジャスティン・ティンバーレイクの様なゲスト状態とはいかないが)

また、公式ルールには
例えば『キャリア何年未満のみ出場可』といったような記載も、もちろんない
もし、キャリア計算ルールがあったとしたら
潜伏期間の長い歌手は、プロでなくとも弾かれてしまうわけで
それは理不尽極まりないルールと言えるだろう

余談だが、ESC出場者の最低年齢は16歳
Eurovision Junior は9歳から14歳(上限は年によってまちまち)であるので
出場できる歌手の年齢や経歴に制限があるとすれば、この部分のみだろうと思われる

アマチュア歌手の登竜門なのではなく
プロがEurovisionに出たがらないだけという考察

もっとも、ESCに出場する歌手はプロの歌手よりも、素人に近いアマチュア歌手レベルから
元々音楽活動を続けているが、日の目を見ていないプロ歌手、インディー歌手の方が
人数的には多いと言うことも、また事実である
特に、国内予選大会を開いている国に関してはその傾向が強い

2018年に開催された国内予選大会をほぼ全て視聴した上で言うと
ウクライナの様にレベルの高い歌手しかいない国ならともかく
ルーマニアやリトアニアの様に、国内予選の出場者人数の多い国や
実際にアマチュアレベルからオーディションをしたサンマリノなどがそうだ

そうした事実を元にしているのか
プロはEurovision出場してはいけない、出場できない
もしくは、Eurovisionは若手の活躍の場である、と考えている方も、前述のようにいる

とはいえ、そもそも『アマチュアの登竜門だからプロが少ない』のではなく
『プロの歌手はESCに出たがらない傾向にある』ということを忘れてはならない

イタリアとアルバニアの様に、そもそも国内予選をしているのではなく
その独自の歌唱祭の優勝者をESC代表として送り出している例もあるので
一概に全ての国、全てのプロ歌手で言えるわけではないものの
プロが出てくれないからこそ、アマチュアやセミプロから出場者を募っている
と言う考え方も出来なきなくはない

では、なぜプロの歌手がEurovisionに出たがらないのか
それこそ、歌手によって理由は千差万別であるため、これも一概には言えないが
Eurovisionと言う音楽祭のシステムそのもの、つまりEurovision特有の制限が
プロの歌手たちに、参加する上での敷居の高さを招いている、と言うことは
少なからずあるだろうと思われる

Eurovision Song Contestには
先に書いたように、出場者に対する一定のルールが設けられているが
のみならず、楽曲に関しても同じように明確な基準が存在している

・ 楽曲は必ず1曲3分以内出なければならない
・ 楽曲は大会前年の9月1日以降に発表された楽曲でなければならない(音楽と歌詞)
・ 政治的等のプロパガンダになるような曲を歌ってはならない
と言う3大ルールがそれである
(ただし、プロパガンダに関しては、今回は無視しても問題ない)

ESC用の曲を用意すること、既存楽曲の使用禁止に関しては
特に、シンガーソングライターやバンド系にとっては大きな障害になる場合がある
というのも、これは実際に、広島で活動しているLUV LA ROSSO のボーカルの一人である
ボーカルトレーナーもされている千頭先生から聞いた話ではあるが
楽曲制作は大抵、1曲につき平気で9ヶ月前後もの時間をかけて作っているのだとか
楽曲製作の裏側を見せる番組やDVD等のおまけでは
歌唱の収録→サウンドチェック→マスター音源に→CDにする
と言うプロセスしか踏んでいないように見えるが
特にサウンドチェックに膨大な時間がかかるらしい

具体的には
収録した音声と、伴奏する楽器の音のバランスを整え、場合によっては音を収録しなおし
声や楽器の響き方の調整と調節、エフェクトをかけるのならエフェクトをかけて
微調整に次ぐ微調整の、微調整地獄が延々と続くため
例えば、11月に「クリスマスソングを作りたいな」とすぐに制作に取り掛かっても
実際に発表出来る段階になるのは翌年の夏日になったりなど
とにかく1曲作るのには、時間がかかるのだそうだ

他で言えば、個人的にフォローしている平沢進師匠のツイッターアカウントを見ているが
新作アルバムの製作に、本当に長い時間、日数月数を費やしているのが分かる

ちなみに、インディー系バンドESC出場者の多くが、インタビューで
「元々ESCで歌うために用意したわけではなく、新作アルバムの為に用意していた曲だ」
と語ることが多いのは、こうした理由が最大の要因になっているからだろう

なら、ESCお抱えの楽曲製作チームに曲を作ってもらえば良いと思うかもしれないが
自分の観客を相手に自分たちの音楽を見せてきた歌手たち
自分たちが表現したい言葉と音楽、そして信念やスタンスを持ってる歌手たちが
ESCの為に用意された曲を歌うとはあまり思えない

既に成功しているプロ歌手が出たがらない、最大の理由
楽曲制作ルールは、とはいえシンガーソングライターやバンドでなく
元々プロデュースされて、曲を作ってもらって歌っている歌手には当てはまらない
むしろ、プロの歌手がESCに出たがらない理由は、ESCのルールだけでなく
明確な順位を世界レベルでつけられてしまうから
と言うのが最も大きいだろうと思われる

既に自分のファンが沢山いて、歌手として成功しているのに
わざわざ正当な評価を受ける場に出る必要がないし
それで思ったような結果にならなかったら
もっと言えば、最終順位で下から数えた方が良い状態になれば
キャリアに傷がついてしまう、と考える歌手は多いだろう
乱暴な言い方をすれば、例えばESCセミファイナル落ち
というようなレッテル貼りのようなことをされてしまうと
面白くないと感じるプロの歌手は多いだろうし
(別にプロじゃなくてもそんなこと言われたくないだろうが)
そのリスクを負ってまで、世界に挑戦する必要もないだろう

他にも、これはUKの方でよく言われていることで
一種のジンクスみたいなものだが、ESCに出場したら売れなくなるんだとか
UKはお国柄、世界で売れてる歌手が多数いる中で
Eurovisionに出ることでEurovision何位の人って呼ばれ方するのを嫌うし
実際、イギリスの有名な歌手Paloma Faith は
2014年には、明確な点数で順位付けをされるという、Eurovisionのアイディアに
そんな恐ろしいルールのある大会に出るわけがない、と答えていたらしいし
UKに限らず、プロの多くはそう言う風に思っているだろう
(もっとも、パローマはのちにこの発言を変えるが)

そうすると、逆に若手は
自国で売れなかったとしても、世界の誰かが知ってくれるチャンスなのだから
確かにアマチュアの登竜門である、という見方はできるとも思う

一方で、ESCに若手を出してほしくないという意見もある
結局のところ、イヤイヤ言っている声が大きいだけの様にも思えてくるが
ESCを若手歌手、アマチュア歌手がプロになるための登竜門と見ている人がいる一方
逆に、若手歌手を出してほしくない、と思っている人もいる

特に、The Voice 出身の若手歌手に対する風当たりは強い
ESC情報の大手ブログであるWiwibloggs さんのサイトで行われたアンケートでは
もうThe Voice 出身歌手には出て欲しくないという意見も出ているほどだし

知らない人のために説明をしておくと、The Voice はオランダ発祥の歌唱大会番組で
(オーディション番組と言われているが、全体見るとむしろ歌唱大会)
世界中に同番組がフランチャイズされ、各国版のThe Voiceが存在している
この、欧州各国のThe Voice の元優勝者、あるいは元出場者が
毎年各国の国内予選大会に出場し
そして、年々Eurovisionの出場者として登場することが多くなってきている

2018年のウクライナ国内予選大会なんか
元The Voice 出場者とコーチによる同窓会に近くなっていたし

この歌唱大会番組の出場者がEurovisionで活躍することを
あまり快く思っていない人は多いのだが
The Voice 側としては、The Voiceで優勝したからと言って
必ずしも歌手として成功できるわけでもないのだから
世界に見てもらえるチャンスであるEurovisionに参加したがるわけで

ちなみに個人的には
The Voice 出場者が登場すると嬉しいが
しかし、他の誰かにプロデュースしてもらう必要があることが多く
それがあまりにもESC狙いな曲すぎると、確かに面白くないとは思うし
そう言った意味でThe Voice出場者にノーサンキューを言いたくなる気持ちは分かる
これだけ欧州各国のThe Voiceを取り上げておいて言うのもなんだが

しかも、元ESC出場者ならOKという歪さ
元ESC出場者がリベンジ出場を果たすとテンションが上がるのは分かる
元優勝者だって出場しているし

そういう人たちの事は、好意的に見られていて
好意的に見たくなる気持ちも分かるが
若手の登竜門じゃなかったのかな? と意地悪なことを思ってしまうことはある

私は別に、元ESC出場者にリベンジするなとは言わない
ブルガリアとか毎年Elitsa Todorova & Stoyan Yankulov に出て欲しいし


ここから個人的な見解
私からしたら、最初の方で書いたように
別にプロが出ようが若手が出ようがアマチュアが出ようがインディーが出ようが
Eurovision に出場する音楽が面白くなればそれで一向にかまわないし
何なら、その国の中でものすごく売れている歌手を出したって良いと思っている
サッカーやオリンピックと違って、文化的な側面を出しながら競い合える
数少ない世界大会なわけだし

というか、売れてるプロを排除するようなルールを入れると
プロしか出せないような国なんかが致命的なダメージを受けるだろうに

ただ、若手に活躍の場をあげたい、成功のチャンスをあげたい、という気持ちも分かる
だから、私はむしろ、ワールドカップ版The Voice とかあればいいんじゃない? と思う
世界各国のThe Voice 元優勝者が集まって競い合う世界大会
そしたら、The Voice 出場者に参加してほしくない勢もにっこり

あと思ったんだけど
若手がプロになるための登竜門
プロの歌手は参加すべきではない
というのは世界各国で言われているけども
メジャーで活躍できずにずっとくすぶっている歌手は?
国内でそこそこ売れてるけど、世界的に見れば売れていないプロは?


以上です
オチも結論もなんもなし


参考文献
http://1eurovision-song-contest.blogspot.com/2009/05/why-cant-proffesional-singer-represent.html
http://escinsight.com/2014/02/13/why-artists-dont-risk-entering-eurovision-the-musical-impact-of-economic-prospect-theory-at-eurovision/
https://eurovision.tv/about/rules
https://www.quora.com/Why-are-the-Eurovision-performers-always-unknown
http://wiwibloggs.com/2017/09/14/paloma-faith-says-eurovision-facebook-live-session/
関連記事

0Comments

Add your comment