Eurovision 2019 リトアニア代表 Jurijus Veklenko の『Run with the Lions』 和訳・歌詞解釈と考察

さあ、一緒に走ろう ライオンと共に 本能のままに 
ボクらの心はいつだって自由だ 

ラトビア、エストニアと並ぶ、バルト三国の一つであるリトアニアは
1994年に初参加をした際に、たった一度、内部選考を行ったきりで
以来、全ての年で国内予選大会を開催して代表者を決めている国です
そして、毎年リトアニアが開催している国内予選大会は
1月の初週から始まり、3月に入るまで行われるという
欧州各国の予選の中でも、特別長い期間をかけて行われる大会でもあります
もっとも、今年は4週間かけて行われた予選に、準決勝、決勝を合わせた
合計で3ラウンドと言う、例年に比べるとやや短めではありましたが
1月5日に放送が始まり、決勝は2月23日に行われたことを考えると
十分長い大会であると言えるでしょう

およそ2か月間に渡って行われた、リトアニア国内予選大会で
優勝最有力候補と見られていた Monika Marija を抑え、見事優勝したのは
リトアニア版 The Voice シーズン2でライブショーまで勝ち進んだ経験のある
はにかみ笑顔が素敵な Jurijus Veklenko でした
ユリユスが命を吹き込む歌は、『Run with the Lions』
落ち込んでいる人にそっと寄り添い、力を分けてくれるような
応援や激励ではなく、同じ時を過ごし、そして手を差し伸べてくれるような歌であり
また、ユリユスの歌唱によって、他の追随を許さないほどまでに美しく曲に仕上がっています

もくじ
歌詞和訳『Run with the Lions (ライオンと共に走る)』
歌詞の内容について
歌詞解釈と解説
 - Verse
 - Pre-Chorus
 - Chorus
Eurovision 2019 リトアニア国内予選大会のもくじ記事
 - 楽曲に対する第一印象

"Eurovizijos" dainų konkurso nacionalinė atranka
(直訳で Eurovision Song Contest の国内予選大会)



歌詞和訳『Run with the Lions (ライオンと共に走る)』
Verse 1
If you wanna see, just open your eyes
もし見たいのなら、ただ目を開けば良い
If you wanna breathe, let's go outside in the open
もし息をしたいなら、一緒に外に出よう
Out in the open
隠すことなんてなにもないさ

There's no need to stay locked up inside
引きこもってる必要なんてないよ
This kingdom is yours and this kingdom is mine
この王国は君のもので ボクのもの
Let me show you
見せてあげるよ
Just let me show you
さあ 見せてあげるよ

Pre-Chorus
Ooh, there's no need to be afraid
怖がることなんて何もないよ
You don't got to hurt away
傷つけられることもないからね
'Cause we got a love that can't be caged
だって ボクらは檻に閉じ込めきれない愛を持っているから
We got love a that can't be caged
ボクらは檻に閉じ込めきれない愛を持っているから

Chorus
Come on, come on, let your feelings out
さあ、さあ、自分の気持ちに素直になって
Come on, come on, get your freedom now
さあ、さあ、自分の自由にすれば良いんだ
Run wild
本能のままに走ろう
Run with the lions (Oh)
ライオンと共に駆けるように
Come on, come on, let your feelings out
さあ、さあ、自分の気持ちに素直になって
Come on, come on, get your freedom now
さあ、さあ、自分の自由にすれば良いんだ
Run wild
本能のままに走ろう
Run with the lions (Oh)
ライオンと共に駆けよう

Verse 2
If you want a voice, just open your mouth
声が欲しいのなら、ただ口を開けて
Don't worry about the words, we'll figure it out
言葉がでなくても大丈夫、ボクらが考えよう
Just try it
試してごらん
Just try it, oh
試してごらんよ

Pre-Chorus
Ooh, there's no need to be afraid
怖がることなんて何もないよ
You don't got to hurt away
傷つけられることもないからね
'Cause we got a love that can't be caged
だって ボクらは檻に閉じ込めきれない愛を持っているから
We got love a that can't be caged
ボクらは檻に閉じ込めきれない愛を持っているから

Chorus
Come on, come on, let your feelings out
さあ、さあ、自分の気持ちに素直になって
Come on, come on, get your freedom now
さあ、さあ、自分の自由にすれば良いんだ
Run wild
本能のままに走ろう
Run with the lions (Oh)
ライオンと共に駆けるように
Come on, come on, let your feelings out
さあ、さあ、自分の気持ちに素直になって
Come on, come on, get your freedom now
さあ、さあ、自分の自由にすれば良いんだ
Run wild
本能のままに走ろう
Run with the lions (Oh)
ライオンと共に駆けよう

Bridge
Ooh, ooh, ooh
'Cause we got a love that can't be caged
だって ボクらは檻に閉じ込めきれない愛を持っているから
Ooh, ooh, ooh
'Cause we got a love that can't be caged
だって ボクらは檻に閉じ込めきれない愛を持っているから
We got a love that can't be caged
ボクらは檻に閉じ込めきれない愛を持っているから
Run with the lions (Oh)
ライオンと共に駆けよう
Now I run with the lions (Oh)
今ボクはライオンと共に走る

Chorus
Come on, come on, let your feelings out
さあ、さあ、自分の気持ちに素直になって
Come on, come on, get your freedom now
さあ、さあ、自分の自由にすれば良いんだ
Run wild (Wild)
本能のままに走ろう
Run with the lions (Oh)
ライオンと共に駆けよう

Outro
We got a love that can't be caged
ボクらは檻に閉じ込めきれない愛を持っているから
We got a love that can't be caged
ボクらは檻に閉じ込めきれない愛を持っているから
Ooh

英語歌詞参照元
https://genius.com/Jurij-veklenko-run-with-the-lions-lyrics
https://lyricstranslate.com/en/jurijus-veklenko-run-lions-lyrics.html

歌詞の内容について
ユリユスが素敵な笑顔と共に歌うこの曲は
ESC2019 の中でも比較的、優しい言葉で書かれてある曲です
難しい表現や、複雑な伏線、隠されたメッセージがあるわけではなく
多重構造的な歌詞でもなく、深みや重みのある歌詞でもないため
内容を読む上でも、歌唱を聞く上でも、さほど頭を使う必要がありません
表面からくみ取れる内容だけで、十分この曲の精神を理解することができるでしょう

この曲の内容を、一言で表すなら、冒頭でも書いたように「応援ソング」です
ただし、挫折を経験して膝をついている人に対する激励や
何かに立ち向かおうとする人の背中を押して応援するような曲ではありません
あまつさえ、この歌詞の中には一言も、「がんばれ」という言葉が出てきませんし
それに近しい言葉も出てきません

ユリユスの解説

方々でのインタビューにて、ユリユスは歌詞の内容について説明をしています
どのインタビュー動画でも良かったのですが
この動画が、とりわけ、最も詳しく説明をしているので
今回は ESCplus さんからのインタビュー動画を参考にします

ユリユス自身によるインタビューでの回答によると
この曲の主題になっていることは
「本当に自分がやりたいことをやろう、自由に生きよう」です
何ができるのか、できないのか、それを決めつける人が周りにいるけど
そうした人たちの言葉に耳を貸さないで、自分の夢を叶えよう
と言うメッセージが込められているのだそうです

実際、歌詞の中でも
周囲の目を気にして、自分を押し殺していた主人公に対して
いつまでも殻に閉じこもっているのではなく、自由を謳歌するように歌っていますし
また、自由を獲得することが、最終目的として描かれている様です
その上で、自分の心の中にある「ライオン」を開放しよう、と歌っているのです

また、その心を開放するためにユリユスが使っている言葉は
あくまで「一緒に自由になろう」です
背中を押したり、自分がいるところまで呼びかけたりする曲とは違い
同じ目線に立つどころか、同じ立ち位置にまで来てくれて
そっと手を差し伸べ、笑顔で「行こうよ」と言ってくれる歌詞なのです

歌詞解釈と解説
Verse
この曲の冒頭では、主人公に声をかけるユリユスの言葉から
主人公がどういった状態にあるのかが見えてきます
「If you wanna see, just open your eyes」
「もし、自分が(求めているものを)見たいのなら、目を開けば良い」
と言う歌詞は、なんとも当たり前のことを言っている様に見えることでしょう
しかし、逆に言えば、主人公にとって「見たいものを見る」と言うことが
何らかの理由によって「許されざる行為」とされている、言うことも意味しています

続く歌詞では、「If you wanna breathe, let's go outside in the open」
「もし息をしたいなら、一緒に外に出よう」と、ユリユスは提案します
このうち、「in the open」には、「隠し事をしない」と言う意味合いがあります
「オープンにする=包み隠さない」と考えると分かりやすいかと思います

そして、「If you wanna breathe (息をしたいのなら)」、と言うことは
現状に対して息苦しさを感じている、と言うことでもありますが
ともすれば、主人公は見たいものを見れず
何かを我慢をしていることが読み取れるかと思います

そんな主人公に対して、ユリユスは声をかけてきます
「There's no need to stay locked up inside (引きこもってる必要なんてないよ)」
Verse1 のこれらの歌詞から、主人公には見たいもの、求めているものがあるのですが
それは、隠し事として人目に触れないようにしなければならない状態にある
だけど、ユリユスは「隠れる必要はないよ」と、歌っていることが見えてくるかと思います

Pre-Chorus
Pre-Chorus の歌詞は「恐がる必要なんて何にもない」という言葉から始まります
Verse1 の最後で、引きこもらずに全てをさらけ出そう、と歌われていましたが
カミングアウトをする、と言うことには勇気がいります
それでも、誰も君を傷つけてきはしないから、心配ないよ、とユリユスは歌います

その上で、「We got love a that can't be caged」
「ボクらは檻の中に閉じ込められないほどの愛を持っている」と続けていきます
ここの重要な点としては、「Caged」という言葉を使っているということです
普通、「抑えきれないほどに強い愛」を表現するのに
「檻に入れる」「檻に閉じ込める」と言ったニュアンスのある「Caged」はあまり使いません
ここで、愛に対して「Caged」を使うのは、続くサビに対する、布石と言えるでしょう

もっとも、ここで言う「愛」とは
キミを傷つけないほどみんな優しい、というニュアンスのようにも思えますが

Chorus
叶えたい夢に対する「愛」、続けていきたい趣味に対する「愛」
様々な形の「愛」があるかとは思いますが
主人公は今まで、それが人目につかないように、ひた隠しにしてきていました
自分が持っている「愛」を檻の中に入れていたのです
ところが、その「愛」は、いつまでも檻の中に閉じ込めて置けるものではありません

Chorus では、自分の本心を隠してきていた主人公に対して、ユリユスは声が掛けます
「let your feelings out (自分の気持ちに素直になって)」
「get your freedom now (自分(の心)を開放すればいいんだ)」
しかし、主人公には自分に素直になる勇気が持てませんでした
勇気がないから、引きこもり、周りからの目を気にして恐がっていたのですから

そこで、Chorus の印象的なフレーズが出てきます
「Run wild, Run with the lions」
この歌詞では、唐突に「Lion (獅子)」が登場しますが
もちろん、物理的にライオンが登場したわけではありません

一般的に、ライオンは「力」や「勇気」の象徴とされていますが
それは、主人公が今まで持つことのできなかった心でもあります
「何者も恐れず、思うままに、ワイルドに走ろう」
「大丈夫、キミには共に走ってくれるライオン(勇気)がある」
サビの歌詞を言い換えると、このような形になるのではないでしょうか

そして、「勇気」は「愛」と同じように、檻の中に閉じ込めておくものではありません
「勇気」を抑えて、自分を偽って生きるということは、自ら檻に入ることでもあります
その状態は、到底「自由である」とは言い難いでしょう
「勇気」を開放してこそ、「自由」は訪れるのです

これが、この曲に込められたメッセージと精神なのではないでしょうか


Eurovision 2019 リトアニア国内予選大会のもくじ記事
http://sheilabirlings.blog33.fc2.com/blog-entry-6280.html

ユリユスに対する第一印象
http://sheilabirlings.blog33.fc2.com/blog-entry-6280.html#Jurijus

Eurovision 2019 もくじ記事
http://sheilabirlings.blog33.fc2.com/blog-entry-6210.html

サムネ
https://www.youtube.com/watch?v=Hom7KEFl6RM
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