Eurovision 2019 セルビア代表 Nevena Božović の『Kruna』 和訳・歌詞解釈と考察

私は一生を賭けて 貴方を守ってみせる
貴方に王冠をかけ 私の全てを貴方に捧げます

2007年にESC初参戦を果たしたセルビアは、その年そのまま優勝し
過去に二度、Eurovisionのステージに立った歌手が、再び出場です
以来、強力な出場者を毎年送り出しているESC強豪国の一つですが
今年のセルビア代表は、ESC出場の経験があるアーティストでした

セルビアの国内予選大会 Beovizija 2019 を勝ち抜き
ESC2019のセルビア代表になった Nevena Božović
2013年にガールバンド Moje 3 の一員として出場していた歌手でもあり
2007年にジュニア版ESCに出場し、3位入賞を果たした経験もある歌手です
3度、Eurovisionのステージに立つことになった Nevena は
今年はソロ歌手として、自身が手掛けた楽曲で挑むそうです

さて、そんな彼女が歌う『Kruna』は、セルビアらしいバルカンバラードな一曲
どこか、大いなる悲しみを背負っているかのようにさえ感じるメロディーに
Nevena の力強くも切なさを感じさせる歌唱が合わさっており
ほぼセルビア語で書かれた歌詞ながら、訴えかけるものがあるように感じる曲です

しかし、歌詞の内容を読み、彼女がこの曲を作った理由を知ると
実は、とても前向きな曲であることが見えてくることでしょう
今回は、そうした一曲を見ていきます

もくじ
歌詞和訳『Kruna (王冠)』
歌詞の内容について
Nevena Božović が歌詞に込めた想い
歌詞解釈と解説
音楽や歌唱と関連付けた考察
楽曲レビュー

公式MV


国内予選大会 決勝


歌詞和訳『Kruna (王冠)』
Verse1
Pogled mili
愛しい貴方を見る
Jedini dušu smiri
唯一 私を穏やかにさせること
O volim te
ああ、貴方を愛している

Verse2
Noć je duga
夜は長い
Bez tebe tuga
貴方なしでは悲しい
Ruku mi daj
貴方の手をちょうだい
Nikad ne puštaj
ずっと離さないから

Pre-Chorus
Everything for you
全てを貴方の為に
I give myself to you
貴方に私を捧げます

Chorus
Neka me svet čuje sad
世界に私の声を聞かせよう
Životom branim te ja
私は人生を賭して貴方を守ってみせる
Neka nas svi vide sad
みんなに私たちの事を見せよう
Svako nek zna, da zauvek
みんな分かるんだ 永遠に
Tvoja sam ja
私は貴方のものだと

Verse3
Kruna je tvoja
王冠は貴方のもの
LJubavi moja
私の愛しい人
Želim da znaš
貴方に知ってほしい
Da tebi pripada
それが貴方のものだってことを

Pre-Chorus
Everything for you
全てを貴方の為に
I give myself to you
貴方に私を捧げます

Chorus
Neka me svet čuje sad
世界に私の声を聞かせよう
Životom branim te ja
私は人生を賭して貴方を守ってみせる
Neka nas svi vide sad
みんなに私たちの事を見せよう
Svako nek zna, da zauvek
みんな分かるんだ 永遠に
Tvoja sam ja
私は貴方のものだと

歌詞原文参照元
https://genius.com/Nevena-bozovic-kruna-lyrics

歌詞の内容について
この曲の面白いところ、あるいは構造的に非常に巧みであるところは
ほとんど全編、セルビア語で歌われているにもかかわらず
サビ前にのみ存在している英語歌詞によって
この曲の内容が理解できるという点にあります
つまり、例えセルビア語が全く分からなかったとしても
『Everything for you (全てを貴方の為に)』
『I give myself to you (貴方に私を捧げます)』
この歌詞の内容が分かれば、全体のほとんどが理解できるということです

歌詞の内容を端的に説明するならば
愛こそすべて、「貴方」こそがこの世の全て、と歌いながら
命を懸けて尽くそうとする主人公の物語と言えるでしょう
歌詞はひたすら相手への愛を語る言葉で埋め尽くされており
献身的と言うより、相手に対して陶酔しているようにも見える歌です

ただし、それはあくまで表面上の事にすぎません
この曲の精神を理解するには、セルビア語の歌詞も必要不可欠な歌でもあります

Nevena Božović が歌詞に込めた想い
wiwibloggs のインタビューによると、この曲の歌詞は
Nevena が婚約者に向けて書いた歌なのだそうです

このことを念頭に置いて歌詞の内容を読んでいくと
歌詞の内容は、まるで結婚式を連想させるような内容に見えてくるかと思います
特に、Chorus の歌詞に関しては
「Neka me svet čuje sad (世界に私の声を聞かせよう)」
「Neka nas svi vide sad (みんなに私たちの事を見せつけよう)」
大勢の前で「私は「貴方」のものである」と言うこと知らしめようとする姿から
結婚式で誓いのキスをする場面を連想させるようにも見えますし
また、Pre-Chorus の英語歌詞に関しては
それこそ、神への誓いの言葉を表しているように見えてくるかと思います

歌詞解釈と解説
この曲の歌詞は、大きく分けて二つの「想い」によって構成されています
一つは、Nevena が「貴方」に対して、とても熱烈な愛を向けている部分です
Nevena は、自分の人生を賭して「貴方」に尽くしたい、という考えを持っており
それは、セルビア語の歌詞だろうとも、英語の歌詞だろうとも
Nevena が何度も、「私を貴方に捧げます」と言うフレーズ
「私は貴方のものです」と繰り返していることからもうかがえますし
冒頭の歌詞の様に、「貴方」はNevena を安心させる人物であり
かつ、「貴方」なしでは生きられないとさえも言わせている人物でもあります

また、Nevena は「Kruna je tvoja (王冠は貴方のもの)」と歌っています
Nevena にとって、生涯をかけて守り、尽くす相手だからこそ
Nevena は「貴方」を「王冠」を持つ「王様」であると表現している様です

二つ目は、「貴方」から何かを得ようとする場面が散見されている、と言うことです
例えば、Verse2 では、直接的に「貴方」からのアプローチも求めていますし
Chorus では世界に自分たちの絆を知らしめようとしているのに
Verse3 では逆に、自分が「貴方」のモノであるということを
他でもなく「貴方」に知って欲しい、分かって欲しい、と訴えかけてさえいます

英語の歌詞でも書かれてあるように
基本的には、Nevena が自分を「貴方」に捧げる曲ではあるのですが
同時に、「貴方」から何らかの精神的なものを求めてもいる曲の様なのです

音楽や歌唱と関連付けた考察
さて、この曲の歌詞を読んでみると
「貴方」に対するNevena の深く強い愛が込められていることが分かりますが
ここで一度、『Kruna』の音楽自体にも耳を傾けてみましょう

注意しなければならないことは
音楽や Nevena の雰囲気が、決して明るくない、と言う点です
これで例えば、2015年のリトアニア代表の様に
明るくポップで楽しく、愛がジョイに満ち溢れていれば
歌詞に書かれてあるように、恋愛を謳歌する物語とも言えるのでしょう
しかし、『Kruna』はどこか、切羽詰まった状況に直面している様にも聞こえます
音楽的にも、Nevena の歌唱的にも、とてもパワフルに感じる瞬間もあれば
押しつぶされそうなほどの切なさと共に歌っているように感じる瞬間もあります

音楽に関して、バルカンバラードロックだから、こういう雰囲気で当然だ
と言われてしまえば、それまでではありますが
とはいえ、Nevena は軽い気持ちで結婚をしようとしているわけではなく
この人以外に考えられないという、非常に切な想いを持ち
絶対に一生添い遂げようという確固たる決意を持って歌っている
と言うことが読み取れるのではないでしょうか

楽曲レビュー
セルビア代表 Nevena Božović の『Круна』をレビューする! ~ジュニア時代からの英雄~
http://sheilabirlings.blog33.fc2.com/blog-entry-6384.html

Eurovision 2019 もくじ記事
http://sheilabirlings.blog33.fc2.com/blog-entry-6210.html

サムネ
https://www.youtube.com/watch?v=osFxa9jfH04
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